スペインダイ
こういうこともあるんだな、と思いつつ、初めて写真を撮る魚に、その不思議なめぐりあわせを感じていました。
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学名 Pagellus bogaraveo  英名 Blackspot seabream (旧 Red seabream)  ポルトガル名 Goraz (Peixão)  和名 スペインダイ。

オリャオの市場ではよく揚がる魚です。ですから皆んなこの魚のことは知っていますが、このサイズ(20cm~25cm)までのものは"Peixão"(ペイシャォン)とか"Paixão"(パイシャォン)とか呼んでいます。しかし、この魚は図鑑などによると70cm位までなる大物です。さすがにそんなに大きい個体は稀にしか揚らないのでしょうが、30cmほど以上になると"Goraz"(ゴラーシュ)と呼び名が変わります。しかし、漁師や仲買、市場関係者らは、実際には呼び名が変わるのではなく、別の種と考えているのが大勢なのです。
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"Peixão"と"Goraz"は同じ種類です。しかし、大きさが異なります。英名ですが、昔は"Red seabream"と呼ばれていたようですが、今では"Blackspot seabream"と呼び名が変更になっています。今回の個体を見る限りでは、"Red seabream"とは程遠い感じがします。たくさんの赤いタイ類がいる中で、わざわざ何故この種に「赤いタイ」という呼び名をつけたのか、答えは成長後の姿を見なければ分かりません。しかし、最近では「大きくて真っ赤なGoraz」をあまり見ることがなくなってきたせいか、英名も前述のとおり"Blackspot seabream"となっています。
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実はなぜか定置網にはなかなか入らない種です。それが今日1尾だけ入りました。前回のベズーゴと比較するのに好都合な種ですので、あったらいいな、でも定置網には入らないしな、というかすかな期待が「よい結果」となりました。
さて、"Blackspot"(黒点)ですが、この個体も網に擦れたような跡が多くあり、はっきりしないのですが、胸鰭の上方、エラ蓋の横、側線の始まるあたりに、かすかに黒い箇所があります。これが"Blackspot"です。この黒点はベズーゴにはありませんし、大きな個体ほどはっきりします。
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和名の「スペインダイ」ですか、現在では、はっきり言って通用しないと思います。これもアサヒダイニシキダイのように、かつて結婚式の引き出物用として日本に輸入されていたことがあったのでは、と思います。その時、単にスペインからの輸入が多かったので、こんな名前で流通していたのではと思っています。引き出物には「赤いタイ」、本来なら日本の"Red seabream"を使いたいところなのでしょうが、そんなに多くは獲れないので、輸入物を使用していました。上記のアサヒダイやニシキダイ、それにティラピアもイズミダイとか、それっぽい名前を付けられ使われていました。そんな中、使ってはいたが、そんなに多くなかったので、"適当な"名前になってしまったのかな、と思っています。で、昨今は、結婚式の引き出物にあまりタイが使われなくなったため、それらの需要は減り、もともと影の薄かった「スペインダイ」は忘れ去られた、といったところだと思います。
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「一魚一会」に感謝、です。
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「スペインダイ」でした。






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by mobulamobular | 2010-07-07 06:20 | | Comments(0)
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